“ We should make it visible ”

  • ヒノキの葉と実
  • 飯舘村飯樋(2014年)
  • 植林されたヒノキがたくさんの実をつけていたので、それを引きちぎって来た。この図で切断された部位の枝が放射能で濃厚汚染しているのは、この枝が2011年3月に直接フォールアウトを受けたことを示している。そこから上の枝は2012,2013,2014年と伸張してきたもので、そこに付いた汚染は風雨による二次的な外部汚染と思われる。2013年の赤茶色の球果が強く汚染していることは非常に印象的である。このサンプルではないが他のヒノキの測定値から、ヒノキの球果の殻は葉と同じ放射性セシウムの濃度であり、中の種子はその3分の1の濃度であった。放射性セシウムの次世代への移行が示されているわけである。

1日に1回、この放射線像は切り替わります。 4/4

栄誉賞
アルス・エレクトロニカ 2017

富士フィルムアワード
京都国際写真祭 2017

審査員特別賞
中国連州国際写真祭 2017

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170を超えるすべての放射線像が収蔵され、最新の放射線像が追加されていきます。拡大縮小・色の反転・3次元放射線像の操作・採取地の表示などアプリにしか実現することができない機能が備わっています。

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2011年3月11日、東日本大震災による地震と津波により、東京電力福島第一原子力発電所は全交流電源喪失状態に陥り、原子炉1号機から3号機が炉心溶融(メルトダウン)、大量の放射性物質が大気中に放出されました。同月15日に放出された放射性物質は南東からの風に乗り、周辺自治体から福島県の中通りにかけて高濃度汚染地帯を形成しました。また複数の経路を辿って、茨城県から東京都・神奈川県、北関東および東北地方にも放射能汚染は確認されました。 私たちは、東京にいようとも福島県にいようとも、たとえ炉心溶融が起きた原子炉建屋の前に立ったとしても、放射能の存在を感じることはありません。放射能はあまりに小さく、目に見えず、音もなく、臭いもないからです。そのため私たちは放射能汚染地帯に住んでいるにもかかわらず、その存在を意識することなく今日に至っております。これまで食品や土壌は、NaI(TI)シンチレーション検出器やゲルマニウム半導体検出器によって、ベクレル(Bq)という放射能の量を表す単位で計測されてきました。また、空間線量や被曝線量は、人体への影響の目安となるシーベルト(Sv)という単位で計測されてきました。 しかし、こういった数値情報では私たちは、放射能によって汚染された町、汚染された森、汚染された生物の中で、放射能がどのように分布し、拡散・濃縮しているのか、そして放射能から放射線が出ている様子を知ることは不可能でした。そこで私たちは放射能汚染を視覚的に認識すべく、オートラジオグラフィーという手法を用いて放射能汚染の可視化を行ってきました。

2011年、私はどうにかして放射能汚染を視覚的な記録として残せないものかと試行錯誤を繰り返していました。これまで「黒い雨」「死の灰」といった言葉や、「ベクレル」「シーベルト」といった数値で表現されていた放射能を視覚的な映像として記録に残すこと、それは日本にいる誰かが今やらなければならないことであり、それは不可能なことではないだろうと確信を抱いていたのです。

加賀谷 雅道

映像作家

起こりうる次回の原発事故に備えるには、何がどれくらいどのように汚染をするのかをビジュアルな映像として世界の人々は頭の中に収蔵しておく必要がある。この放射線像を、日本ばかりでなく、世界の原発周辺の保育園、幼稚園、小学校、中学校、高等学校、果ては大学までも、教養教育の教材に使って頂ければ望外の喜びです。

森敏

植物栄養学/東京大学名誉教授