浪江町 山火事の現場にて

次の動画は、火事を起こしてしまった方を批判するためでも、浪江町の管理に関して言及するためでもなく、純粋に火事の状況を伝えるために投稿いたします。情報を知りたいと思っている周辺住民のみなさま、自治体さまならびに周辺で調査を行っている研究者のみなさまへの情報提供を目的としております。シェア、転載される方にもこの点に関して十分ご理解いただきますようお願い申し上げます。

 次の福島民友の記事にありますように、先月28日に浪江町赤宇木の白追地区にて山火事がありました。われわれはこれよりも前に浪江町から立ち入りの許可をいただいていて、たまたま火事から数日後に現場を見ることができました。以下、現場にて撮影した動画を投稿します。その下に、現場で気が付いた点をまとめます。

浪江の山林6時間延焼 帰還困難区域、たき火原因か
福島民友ニュース

 28日午後3時35分ごろ、東京電力福島第1原発事故に伴う帰還困難区域となっている浪江町赤宇木字白追地区の山林から出火、双葉地方消防本部などが消火にあたり、約5時間50分後の同9時25分ごろ、火の勢いは収まった。焼失面積などは調査中。
 同消防本部や双葉署によると、現場は浪江町北部の山林で周辺に住宅は少ないという。同地区の自宅で避難せずに生活を続けていた男性のたき火の火が山林に燃え移ったとみられ、同署などが原因を調べている。
 相馬地方消防本部なども応援で出動したほか、県防災ヘリも散水を行った。(2015年3月29日 福島民友ニュース)

 ピーと鳴っているのは、ガイガーカウンターの連続音です。
 続報では焼失面積が10ヘクタール(東京ドーム2杯分以上)ということだったので、大規模な森林火災が発生したものと想像していました。しかし、実際は目視ではありますが、焼失面積は2,3ヘクタールほど。主に下草が燃え広がったもので、毎年海外からの映像にあるような大規模なものではありませんでした。ただ、谷からこの緩やかな丘陵に沿って、春の心地よい風が常時吹いていたので、飯舘村長泥方面に灰が流れていったことが想像できます(2011年3月に原発からの初期プルームが浪江町の山側を通った方向と同じ)。空間線量は平地で4~5μSv/h、森林内は6~8μSv/hほど。

追記:火で炙られて茶色く変色した木を見ると、火の高さはかなり大きかったかもしれない。道は車がやっと通れる小道で、放水用の水源も見当たらず、実際防災ヘリの散水も行ったことを考えると、大変な消火活動だったはずです。

 南相馬市などの周辺自治体では毎日大気浮遊じんモニタリングで空気中の放射性物質の量を計測していますから、風向きとその結果でこの程度の森林火災でどれだけ放射性物質が拡散したのか把握できると思います。今後何かしら発表があるかもしれません。2012年から2013年にかけて、東電福島第一原発内でのがれき撤去によって汚染粉塵が拡散したという朝日新聞の記事はまだ記憶に新しいですし、われわれの近刊の本にもその粉塵を捉えたフィルターの像が放射能測定値と共に掲載されています。

 帰り際に、現場近くにいた男性に声をかけましたが、どやされてしまって会話になりませんでした。おそらく自分が引き起こしてしまった火事を見に来られて、気が立っていたものと思います。放射線の強い中で、ひとり孤独に生活を続ける人もいます。ここからは想像ですが、火が燃え広がるのを見つけて、たった一人で誰も助けがなくて、本当に不安になっただろうと心から同情いたします。サングラスとマスクの間から見えた頬にできたたくさんの赤い斑点は、恐らくできる限り自分で火を止めようとして、火の粉を浴びてできた火傷だったんだと思います(あくまで想像です)。傷口に塩を塗るようなことをして失礼いたしました。

(加賀谷)

downloads_logomark_color_on_white放射線像のアーカイブサイトを立ち上げました。皆さまのサポートで、より多くの時間を撮像に費やすことができます。記録することと伝えることにもっと専念したい。私たちが2011年のあの原子力発電所事故による放射能汚染を記録していきます。ぜひ月$1~のご支援、よろしくお願いいたします。

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