比較一覧

 本「放射線像」を発刊して、ウェブ上のあらゆる場所で多くの人に話題にしていただきました。その中で、天然の放射性物質K40やC14によって、生物であれば何でも写るのではないか、あるいは非汚染地帯のサンプルと比較がほしいといったご意見をいただきました。本の中では、Cs134とCs137ならびにK40の放射能測定したサンプルにはその結果を表示していますが、これに加え、ここでは汚染サンプルとそうでないサンプルの比較、それから放射能汚染が弱いために像にならなかったサンプルを紹介したいと思います。いずれも1枚のイメージングプレートに複数のサンプルを同時に感光されたものです。本の中では、汚染濃度の異なる3枚のヨモギの葉っぱ(P47)が比較として見ることができます。

ゆず
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浪江町井出(2016年11月)
放射線量:
Cs-134 – 1569 (Bq/kg-dry)
Cs-137 – 12648
K-40 – 603
130~140cpm

今回は浪江町井出で採取したゆず(左)と高知県産のもの(右)を比較しました。ゆずの木が立っていたところは空間線量14~20μSv/h。山火事のあった十万山から1.5kmほど北に位置しています(下図:緑のマーカーが採取地、赤いマーカーが十万山)。


より大きな地図で 放射能汚染マップ を表示

結果はいつもながら、帰還困難区域で採取したものの方が汚染が強く、スーパーで売っているものは天然放射性物質でかすかに写っている程度です。

浪江町のものをよく見ると、前回のポンカンと同様に種にはほとんど放射性セシウムが移行していないようです。皮と果肉に内部汚染が行き渡っています。しかし、これはゆずが地面に落ちて種が養分を吸い上げ始めたら逆転すると考えられます。

現場(2016年11月)と簡易放射能測定のようす

※Google Map内にあります線量の等値線は、群馬大学 早川由紀夫教授の研究グループが作成し、許可を得て利用させていただいております。大量の線量データから等値線を作成されたこと、使用許可いただいたことに感謝申し上げます。

(2017年5月7日 追記)


カワラダケと茨城産キクラゲ
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– カワラダケ:浪江町井出(2016年10月)空間線量 15μSv/h
– 放射線量:
カワラダケ – 120-140cpm
キクラゲ- 不検出(バックグラウンドレベル)

左が浪江町で採取したカワラダケ、右が茨城県産キクラゲ。茨城県産のキクラゲは全く写りませんでした。一方、カワラダケはよく見ると、放射線像にも縞模様が見られます。縞の違いで肉厚が違うのか、何かしら別の要因で汚染が集積しているのかはさらに観察が必要です。また扇形の外側よりも内側で若干汚染が強いように見られます。

点々と見られる強い外部被曝は、周囲の環境から風で飛ばされてきた土埃による汚染です。里山の集落は、住宅周辺を除染しても、山から風で運ばれてくるこのような土埃や土埃を纏った落葉、あるいは土砂崩れによって再度汚染されることが予想されます。

茨城県産のキクラゲですが、天然の放射性物質によって何かしら少しは影が写ると思っていたのですが、見事に何も写りませんでした。多少は何か写ってくれないと本当に一緒に感光してるのかと思われそうですね。

現地のようす

(2017年3月19日 追記)


ポンカンと熊本県産のレモンの比較
_DSC3341_1024pxponnkann omaru_1024pxponnkann omaru_1024px_rvs浪江町小丸(2016年3月)、放射線量:205-280cpm

浪江町小丸地区で採取したポンカンと熊本県産のレモンの比較です。この採取地のすぐ近くで採れた柿は、あまり強く汚染していませんでしたが、このポンカンは残念ながら強い汚染を示しました。種はやや汚染が弱いようです。

ほぼすべて内部汚染ですが、外皮の外側には外部汚染がいくつか見られます(右列中央と左列下)。外皮の内部汚染が果肉などの内部よりも強いようです。

簡易放射能測定のようす

(2016年6月5日 追記)


魚の頭(ブラックバス、さんま、金目鯛)
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ブラックバス(飯舘村): 130cpm
さんま(北海道沖), 金目鯛(宮城県沖): 60cpm バックグラウンドレベル

魚の頭の比較像です。

下の動画に示しているように、ブラックバスの頭部が放射能汚染しているようすが放射線像でも確認ができます。さんまや金目鯛もわずかながら影が見えますが、ブラックバスとの差ははっきりとしています。ブラックバスの胸びれと腹ひれを動かす筋肉に放射性セシウムが溜まっていることが、動画からも放射線像からも分かります。またくぼんだ眼球の汚染が比較的強いことや、後頭部の外部被ばくが放射線像を撮像することによって新たに確認できます。眼球はイメージングプレートに直接接していません。

簡易放射能測定

(2016年3月3日 追記)


魚の切り身4種
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Blackbass_Carp_Kinme_fresh_1024px

Blackbass_Carp_Kinme_fresh_1024px_reverse

左上:ブラックバス – 340cpm、左下:鯉 – 210cpm、
右上:北海道産さんま、右下:宮城県沖産金目鯛

飯舘村や浪江町で釣り上げたブラックバスと鯉の切り身、それからスーパーで購入した北海道産のさんまと宮城沖の金目鯛の切り身を丁寧に乾燥させて比較の像を作成しました。さんまと金目鯛は全く写っていません。ブラックバス(340cpm)と鯉(210cpm)もそれそれの放射線量に沿って、濃淡が現れていることが分かります。

(2016年1月23日 追記)


浪江町産とニュージーランド産 キウイ
_DSC3039_1024pxkiui nihonn nyuujira_1024pxkiui nihonn nyuujira_1024px_invert放射線量:浪江町産 – 80~90cpm

今回は、空間線量が16~18μSv/hあった浪江町で昨年9月に採取したキウイと都内のスーパーで売られていたニュージーランド産のキウイの比較です。天然のカリウムでニュージーランド産のキウイ(右)もわずかながら写っていますが、放射性セシウムを含んだ浪江町産のキウイ(左)がはっきりと写っていることが分かります。これまでの比較撮影と同じ結果が得られています。

浪江町のキウイには、皮の部分にぽつぽつと外部汚染も写っています。色を反転させて見るとよく分かります。強く汚染された土埃が風によって飛んできて付着したものと思います。内側にも写っていますが、ナイフでカットした際に皮から移行したものです。もちろんニュージーランド産のキウイにはそういった汚染は付いていません。

どうでしょうか。オートラジオグラフはとても分かりやすく、放射能汚染について理解が深まると思うのですが。

現地のようすと空間線量

(2016年1月23日 追記)


飯舘村のブラックバスと宮城県沖産の金目鯛の外皮
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20151212_Compare_Skin_BlackBass_Kinmedai_2左:ブラックバス(170cpm)、右:金目鯛(バックグラウンド値)

 2012年夏に飯舘村で採取したブラックバスの外皮です。アプリ(2012年の項)や本(P37)に掲載されているブラックバス全身像の反対側の皮です。掲載中の像のキャプションには315cpmという測定結果がありますが、今回は皮のみで筋肉からの放射線がない分小さな値になっています。(しかしながら、3年3ヵ月以上経過してもなお放射線が放出されています)。較結果はご覧の通りです。金目鯛はわずかに尾の付け根辺りがぼんやりと写っている程度です。

サーベイメータに夜放射能測定のようす

(2015年12月19日 追記)


広島産の大葉と浪江町の雑草の比較
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20151212_Compare_Ooba_OmaruKusa_1024px左:広島県産の大葉、右:浪江町の雑草(100~150cpm)

サーベイメータによる放射能測定のようす

(2015年12月13日 追記)


九州産と飯舘村産の椎茸で比較
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_DSC2846_1024px※右が九州産の椎茸、左と中央が飯舘村の野生椎茸と同じくイノハナダケ(2013年収穫)

 九州産と飯舘村産の椎茸を同時に感光させた放射線像です。下の動画にあるようにサーベイメータの測定結果は、九州産が40cpm※(バックグランド値※と同程度)、飯舘村産が1140cpm、中央のイノハナダケは170cpmでしたので、測定結果の通りに像の濃淡が写っていることがわかります。天然放射性物質による放射線量(非汚染)と、原発事故により放出された人工放射性物質による放射線量(汚染)には、大きな差があるということがわかります。

※cpmは1分間当たりにサーベイのスコープに入射した放射線の数。
※バックグランド値とは、スコープをサンプルに当てていない状態での放射線量値。通常、この2倍の値が検出されたとき放射能汚染されていると認められます。

(2015年8月8日 追記)


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浪江町赤宇木の渓流魚 2014年11月採取
どの魚も汚染は少ない。下記の飯舘村周辺で採取した渓流魚も汚染が弱かった。カラー写真の中で魚の周りにぽつぽつと写っているのは一緒に採れた小さな落ち葉や木端。放射線像の右上に強く写っているのはその木端である。

(2015年5月30日 追記)


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東京都文京区鐙坂の土(左)とそこに生えた苔(右)2014年8月採取
苔よりも土に放射性セシウムが多く付着している。苔は不鮮明である。これよりも1年前に森教授が同地点で採取した苔および土の放射能測定結果はこちら

(2015年4月7日 追記)


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飯舘村前田地区のタニシ

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飯舘村とその周辺で獲れた渓流魚(左)と飯舘村のブラックバス内臓(右)

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飯舘村長泥地区にあった軍手(左)と東京都内で購入した軍手(右)

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南相馬市の絨毯(左)と同市仮設住宅の通気口フィルター(右)

 このようにこれまで多くの汚染の弱いサンプルでシャープな像が得られませんでした。また本の中では、ページ数に限りがありましたので、上のような情報量の乏しい画像は掲載しませんでした。今後も比較できる像ができましたら、随時このページに掲載していきます。

(加賀谷)

放射線像アプリ 詳しくはこちら

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