新作76:桜の幹 – 3次元写真 -

_DSC7640_1024px現地での写真

浪江町井出 (2017年9月)
放射線量:280~1200 cpm

今回、初めて植物で3次元放射線像の作成に挑戦しました。桜の幹には、水平方向に切れ目のような形で、皮目(ひもく)と呼ばれる部分があります。この皮目の内側には汚染が見当たらないものの、この上側にしっかりと汚染が残っている様子が分かります。おそらくこの部分は幹が肥大成長しても、剥離落下することなくフォールアウトを受けた最初の汚染をずっと維持していたものと思われます。この地域は浪江町の最も汚染の強い地域で、この木は繰り返しフォールアウトを受けたはずです。しかし、点状の外部被曝がそれほど多く見つけられないのは、肥大成長の過程で古い樹皮が剥離し、内側から新しい樹皮が更新されたためと考えます。(これは林内で下草や表土の除染をしても、木を伐採しない限り線量がまた戻ることと関連しています。)

また大きな苔や成長の止まったごつごつとした部分も汚染が強く残っていることが確認できます。1200cpmの最大値はこの苔の部分で計測しました。

今回、桜の木の3次元放射線像を作ってみましたが、2011年にフォールアウトを受けた当時の汚染はもっと違ったものだっただろうと思います。仮に2011年から毎年一本ずつ3次元放射線像を制作していれば、樹皮に付着した汚染がどのように変化していくのか観察できたはずです。非常に残念で仕方なかったです。

福島の汚染に関するあらゆる研究論文がチェルノブイリの研究論文をベースにしていることを考えると、こんなことは望んでいませんが、次回地球のどこかで核災が起きたときに研究者か写真家が初年度から積極的に放射線像を撮るだろうと思っています。我々の活動はひとつのバトンです。

下に2次元の放射線像を掲載します。比較して見るには、こっちの方が楽ですね。ただ、これは桜の樹皮ですと説明しない限り視聴者は気が付かないというのが欠点。

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(加賀谷)

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